熱電対は種類だけで使用温度が決まるわけではありません。IEC 60584-1の許容差範囲と、実際の連続使用限界は別です。線径、保護管、絶縁材、雰囲気、必要な寿命を合わせて選定します。以下はWIKAなどのメーカー資料による比較で、GY Aluminaの製品保証温度ではありません。
種類別の温度範囲
| 種類 | IECクラス1(°C) | IECクラス2(°C) | ASTM E230(°C) |
|---|---|---|---|
| K, N | −40 ~ 1,000 | −40 ~ 1,200 | 0 ~ 1,260 |
| J | −40 ~ 750 | −40 ~ 750 | 0 ~ 760 |
| E | −40 ~ 800 | −40 ~ 900 | 0 ~ 870 |
| R, S | 0 ~ 1,600 | 0 ~ 1,600 | 0 ~ 1,480 |
| B | – | 600 ~ 1,700 (クラス2・3) | 870 ~ 1,700 |
K・N・Jは卑金属系、R・S・Bは白金・ロジウム系です。WIKAでは前者に金属保護管、後者にセラミック保護管を一般的に使用しています。T熱電対はこの資料の表に含まれていないため、ここでは数値を示していません。
線径が細いほど使用温度の目安は低くなる
Tempcoが転載するASTM E230の表は、従来型の片端閉じ保護管内で使う熱電対の上限温度の目安を示します。シース型の無機絶縁熱電対すべてに適用できる絶対値ではありません。
| AWG | 線径(mm) | K・N(°C) |
|---|---|---|
| 8 | 3.25 | 1260 |
| 14 | 1.63 | 1090 |
| 20 | 0.81 | 980 |
| 24 | 0.51 | 870 |
| 28 | 0.33 | 870 |
| 30 | 0.25 | 760 |
白金系でも線径は長期安定性に関係します。WIKAはS・R・Bに直径0.35 mmまたは0.5 mmの素線を用意しています。素線が孔を通ることだけで適合を判断せず、孔径の許容差、挿入長さ、組立時の余裕を確認してください。
金属保護管かセラミック保護管か
| 材料番号 | AISI | 上限(°C) |
|---|---|---|
| 1.0305 (炭素鋼) | – | 550 |
| 1.4571 | 316Ti | 800 |
| 1.4749 | 446 | 1,150 |
| 1.4841 | 310 / 314 | 1,150 |
| 1.4762 | – | 1,200 |
WIKAは対象とする白金系構成の1,200 °C超で、気密性セラミック、特に高純度C 799を推奨しています。ただし『1,200 °C超は白金系のみ』という一般則ではありません。Omegaは適切な非酸化性条件向けにタングステン・レニウム系C・Dも扱っています。特殊金属シースも含め、センサー全体の使用条件をメーカーと確認してください。
C 530・C 610・C 799の選び方
- C 799:高純度アルミナで気密性があります。WIKAの記載では1,600 °Cまで。耐熱衝撃性は限定的で、アルカリ蒸気には耐性がありません。
- C 610:ムライト系で気密性があります。WIKAの記載では1,500 °Cまで。アルカリ蒸気に耐性がなく、JUMOは還元雰囲気での使用を避けるよう示しています。
- C 530:多孔質で気密性がなく、温度変化に強い材料です。WIKAは1,600 °Cまでと記載し、気密性内管を囲む外管として使います。
これらはWIKAの資料にある材料の説明で、同じ分類名の全製品に共通する保証値ではありません。GY Aluminaの標準材は99.5% Al₂O₃(C799級)で、99.7%、99%、95%も供給可能です。C799級という呼称は規格認証を意味しません。品番ごとの材質と使用条件を見積もりで確認します。
白金系熱電対では汚染と雰囲気を確認する
白金・ロジウム素線は汚染で性能が変わります。WIKAによると、このリスクは温度とともに増えます。JUMOは還元雰囲気では管や絶縁材に含まれる0.2%のSiO₂でも脆い白金シリサイドの生成につながり得ると説明しています。純度の数字だけでなく、不純物組成と雰囲気を確認する必要があります。
気密性の分類は高温でのガス拡散がゼロであることを意味しません。WIKAはDIN EN 50446で気密性とされる管でも、特に高温でプロセスガスがセンサー内に拡散する可能性を示しています。またC 799管の予熱、ゆっくりした挿入、長い水平管の支持を推奨しています。
保護管・絶縁管の寸法と見積もり
当工場の標準保護管には10×6、15×10、24×18 mm(外径×内径)があります。寸法の一致だけでは、材質、温度、クリアランスの適合は確定しません。 保護管の全標準寸法 · 単孔・2孔・4孔絶縁管
標準寸法は通常在庫があり、注文長さに切断します。少量の標準品は約3日、大量注文は約7日で出荷します。見積もりには、熱電対の種類、外径・内径・長さ、孔数と孔径、材質、数量、温度と雰囲気をお知らせください。納期と使用条件は個別に確認します。
よくある質問
- K熱電対は何度まで使えますか?
- WIKAの表ではIEC 60584-1のクラス2が−40~1,200 °C、クラス1が−40~1,000 °Cです。これは許容差が規定される範囲で、連続使用を保証する温度ではありません。線径、雰囲気、保護管、絶縁材、必要な寿命を合わせて確認してください。
- 1,200 °Cを超えると白金系熱電対しか使えませんか?
- すべての熱電対に当てはまる規則ではありません。WIKAのTE 65.80で扱う高温用構成ではR・S・Bと気密性セラミックを使います。一方、Omegaは非酸化性の適切な条件で使うタングステン・レニウム系C・Dも扱っています。センサー全体の構成をメーカーと確認してください。
- GY AluminaのC799級はC799規格認証品ですか?
- C799級は標準99.5% Al₂O₃材を表す当工場の比較上の呼称で、規格認証を意味しません。99.7%、99%、95%も供給可能です。材質、寸法、許容差、使用条件は個別の見積もりで確認します。
出典(メーカー資料)
- WIKA data sheet TE 65.80, thermocouples with ceramic protection tube
- Tempco catalog page 14-103: ASTM E230 suggested upper temperature limits for protected thermocouples, by wire gauge
- JUMO data sheet 90.1000 (German), KER 710 and KER 610
- Rössel-Messtechnik, Praxis der Thermoelemente (German), Table 9 and insulating rods
- Omega: tungsten-rhenium thermocouple wire and atmosphere restrictions
- Omega: exotic thermocouple probes, insulation and sheath limits
- 当工場の寸法・材質・納期は、製品カタログに記録した標準寸法表、2026年の注文記録および試験報告書に基づきます。外部メーカーの数値は当工場の製品保証値ではありません。
